29.睡眠装置としての小説

 この小説は、ある一人の女が涙を流れる滝の様に流したのは、肩が凝り固まり、双肩に双肩を担いでいる様に重く、重さに屈服すれば次第に身体が沈んでいくのが自然であるから机に伏し、眠りに落ちる感覚を伴ないながら、眠い、睡魔は万人に襲い、天才にも例外ではなく、ボナパルトも、野口も、一日の八分の一は寝ているし、私は天才と云っても、眠くなるのはこれが為であり、眠くならないのはただ、一遍上人の様な、変人ばかりであり、私は変人と云っても、彼程仏に近くはなく、睡魔に刃向かうのは、つまり、神への反逆であるから、私は神に服従する事にして、眠りに落ちると云う事を考えて、彼女は眠るのであるが、夢の中では羊が一匹羊が二匹と草原に飛び出して来なくはないのだが羊は小屋の高い木で出来た柵の上の空間からのジャンプで出て来るので最初の羊は一匹と数えたが二匹目の羊は二匹と数えられそれが今は五番目の羊が七番目の羊を噛じると八番目の羊が飛び出す場面まで進んでいるから羊は全部で三十六匹居るのだろうが沢山の羊に溢れた赤い、高い草原に聳える柵の根本の土は青く変色した黄色の様に緑っぽくなる様な景色が拡がっていたが、やがてさすらいの侍桜井がヴェガスで手堅く描く賭博ドリームの場面に切り替わりルーレット振るえと願うも負け分増えると給料飛んだ狂えるCluerワールド止まらない震え奮え勇気をトンだ有給休暇ワーストトリップさ、と叫ぶ同僚から同情援助無し炎上火事のカジノのその外では朝暗い町で浅黒いグロいナオンが待つテラス照らすネオンがオン、小説の主人公たる彼女ではない作中作の彼女詰まるところグロいナオンが言うことには「オマエドウオトシマエツケルツモリケツゲヤロウ、ドウシテヤロウ!」と女帝がご丁寧ニポン語でボケ呼ばわりオマワリ来ぬ絶望的情景にポン刀要請、「オマエノイチバンダイジナモノイノチ?ソレトモバンダイバンザイ?ハカイシテハカイシニ!」と言われた桜井の博愛は祖国で待つ妻暑さデカイ夏さ出会いは誰にも傷つけられたくない蹴られたくない愛しのラヴ舞であったので女が言うには「オマエノオンナナカシマストオマエヲカナシマセルコトデキルカ」とのことであったが、だが舞はジパングでフジ山トタケルに護られ待機、ジーパングロテスク魔王ラレ大使猛るゆえに「ユーのワイフここにいないから殺せナイフ、でもここから遠隔的にエンガチョ泣かせればユーも悲死む」とて女帝の脳天に豆電球、ゴールデンアイディア相手はファッキューで「オマエノオンナのイチバンダイジナモノ、クッテヤル!プンプン!ノドノドノブブン、カムカナムカムカ!」ってなわけであぐらに構える桜井噛まれる身ぐるみ剥がされ女帝に犯され重ね重ねバカねという変な夢を見ていたら大きい教師の怒ったコラと云うダミ声で彼女は眼を覚まし、それから民俗の、その一般的定義は民族と異なって人々が生活する様式や習慣はどう変遷していったかを研究するのは意義の有る事であるがそれは人々が人々を人々と比較して人々とは何かを人々に教えるからであり、大凡自国の生活文化を研究する学問であると答えれば良い問いを間違えてしまった事で、民俗学の教授から大目玉と例えられる目をひんむいたお叱りを受けた事によって卒業までに必要なこの自国の生活文化を研究する学問であると定義されるべきであった民俗学の単位を落としたのが理由であった、と云う事に就いて書かれている。それをあなたは読み切った。おめでとう。

広告を非表示にする