16.16小説交響詩
Perc.=パーカッション/Trp.=トランペット・Sax=サックス・Hr.=ホルン・T-Tbn.=テノールトロンボーン・Bs-Tbn.=バストロンボーン・Tuba=チューバ/P.=ピアノ/Vio.1=第一ヴァイオリン・Vio.2=第二ヴァイオリン・Va.=ヴィオラ・Vc.=チェロ・Cb.=コントラバス/Fl.=フルート・Ob.=オーボエ・Cl.=クラリネット
♪=128
[Perc.]
1、2、3、4。二、二、三、四。3、2、3、4。四、二、三、四。
一、二、三、四。2、2、3、4。三、二、三、四。4、2、3、4。
1、2、3、4。弐、弐、参、肆。Ⅲ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ。四、二、三、四。
壹、貳、參、肆。、、、。∵、‥、∴、※。≧、=、≡、≦。
[Trp.]
隠語を駆使した・ポルノを書いて・みたいー・・・欲望を主題に定めて
・・謎に満ちた・・・・・暗合で書けば誰も気づけないさ・大丈夫だよ
仮に・・・・・・この小説を・最期まで・成し遂げる事が出来たなら・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嘗めてくれ・バナナを・
[Sax]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・淫行や乱交を題材にした官能?
断固反対!・・・・・禁錮する警察が現れるぞー・犯行に走っていると
・・・・仮に?・・・・ああ・楽団員名簿からおまえの名前が消えるぞ
ふむ・・・・・・成し遂げたら・・・・・・・誉めてやろうあなたを・
[Hr.]
・・・・・・・・・・・・・・・・それとも援交の蛮行ドキュメント?
断固反対!・・・今後・・たとえばおまえが・・・・兇行を・犯したい
美しい娘を乱暴したい良い事したいと妄想しても・実行しちゃ・ダメ・
・・すがすがしき野原に潜むウサギちゃん・・慰めてよ・亀あたまを・
[T-Tbn.]
オンコは女の子この略どう隠語ってこんな感じ?・・・・・・・・・・
カン・・・ビン・コンキンアン・・・・・・・・・ハンコウ・・・・・
真個のオンコと懇ろに親交を深めて深更に侵攻したいな・・・・・・・
・・・○ンコに沈降し・・・健康的に潜航するのは・・善行だよ、善行
[Bs-Tbn.]
オン・・オン・・・・・・隠・・・・・淫・援乱・蛮・・・・・・・・
歓呼の声、ビンゴ!・・・その通り・だよーーーーーーーーーーーーー
シ・・・オ・・・ネ・・シ・・・・シ・・シ・・・・・・・・・・・・
○ンコで・・・・・○ンコの穴を穿孔するのは・・・・・・・幸せだ・
[Tuba]
オ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いまだ・・・・・・・
カ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今すぐにだ・・・・
シ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・我慢できない・・
チ・・マ・・・・・ウ・・そして・・オ・レ・ノ・モ・ノ・ニ・ス・ル
[P.]
・・ご苦労なポルノ小説だよ・・・・・・実験的過ぎるよ・・バカッ・
夜の闇・女陰が目の前で開帳・悪魔と化した俺は肉鉛筆を握りしめる・
淫靡な朝には気持ち高ぶり夜明けと共に屹立する・ひらけ闇社会の窓・
・・・・・・・・気分的には・女の子の読者と一発ヤリたい午前です♪
[Vio.1]
I’ve got I shall say・・・・・中はあぶない・
三段階のアクションによって・・・ドギースタイルの・ドッキングは・
コンプリートする・アイ・ラヴ・マイ・プッシー・キャット・・ソー・
ザット・ザ・ドッグ・ファックス・ザ・ファックス・イン・ポルトガル
[Vio.2]
愛・撫・・・合・・体・・・射・・・・・精・・・・顔はえげつない・
三段階のアクションによって・・・ワンちゃん・・・・docking
毒液放出だ・・・・I・love・my・pussy・cat・so・
that・the・dog・fucks・the・fax・in・portugal
[Va.]
リハ・本番・打ち上げ・・イッた興奮・・・・・・お掃除もsite・
牝を牡が求めて雌が雄に応じ・♀♂がむさぼり合えば・犬じみて来た・
・・・・・・・・私の・・オコメ立った・・ニャンコちゃんは大好けべ
ポルトガルのファクシミリ機器で自慰する犬が如きニャンコちゃん・・
[Vc.]
前戯交接やって発射・Sを・興奮に・挿れると・・性交・・してーーー
卍をインサートした・・オルとガル・オ・・・ル・・・ガ・・・ル・・
ダンコ!・・・・・ミックス・ジュースを・・混ぜたらお饅頭でした・
・・ああ・・ああ・今よ・それを・ココへ・・誘ってヤレたらいいな・
[Cb.]
リハ・本番・打ち上げ・・excite・・・・Sex誰かsite・
<オ/ガ>卍<ル>・・・・・・・・・マンジ・・・・・マンジ・・・
・・・ハンタイ!・mix汁酢・・何かの汁つゆだく・・・オルガズム
ああ・・ああ・・ああ・・これをアソコへ…・・・・・ポルノ・ガール
[Fl.]
とても奇妙な小説です・・小説ですらないかも・いまだかつてない形式
従来の小説では発話の同時性を表現できません・会話は常に順番制です
一人が長々と独白する事になるか複数の登場人物が交互に喋る事になる
今私は独り言を呟いてる・これがもし並の小説なら他は黙らねばならぬ
[Ob.]
甲の発言を遮るように乙が横槍を入れる時でさえ音声が重なる事はない
乙は甲の発言が終わるまで待たねばならない・現実の喧噪は表現不可能
そこで創案したのがこの形式・各楽器が一斉におしゃべりする交響詩だ
ああ・うまくいっただろうか・それは読者諸氏の審判を待つしか無い・
[Cl.]
オーパッキャマラッド・パッキャマラッド・パオパオ・パッパッパオ・
オーパッキャマラッド・パッキャマラッド・パオパオパッ・オッパイ!
どサンピン・・・四の五の言うな・・・八九三野郎・・・・・・・・・
これのどこが・・ポルノだっちゅうねん・・・・・期待して・損した!
(指揮者登場)
ポルノめいた文章をたくさん読まされてゲンナリした方々、まあまあ抑えて抑えて。楽器それぞれのパート譜だけ読めば単なる遠回しな猥褻文書ですが、全ての楽器が響き合う時、どうなると思いますか。それはそれは秩序ある重奏を織り成すのですよ。
全ての楽器たち、用意。いざ、十六小節の交響詩を奏でよ。3、2、1、ハイッ!
【Symphonic For Devil variations #1】
隠語を本番遮発射うに乙がイッた興奮な淫行援乱交性交誰かしてパオー
断固反対!ビンゴ!るまで性をねばなオマンジル実のはガマンジル可能
淫靡放出ンと独白四ミック汁酢な楽何かの汁つゆだく互お饅頭交響詩る
チンコマンコに沈降ウンコの穴をアソコへ…氏嘗めてヤレ亀あたまを!
(指揮者、指揮棒で譜面台をビシビシ叩きながら)
ちがう違う。何だその騒々しい混沌は。直接的な表現になってよけいヤラシくなったではないか。そうではない。有機的に混じり合った完璧なアンサンブルを実現せよ。
パーカッションは句読点を、トランペットとサックスは動詞を、ホルンは形容詞を、テノールトロンボーンは連体詞を、バストロンボーンは形容動詞を、チューバは接続詞を、ピアノは名詞を、ヴァイオリンは助動詞を、ヴィオラとチェロは助詞を、コントラバスは代名詞を、フルートは副詞を、オーボエは感動詞を、クラリネットは擬音語を、それぞれ提供せよ。
全ての楽器たち、準備は良いか。いざ、本物の音色を鳴り響かせよ。十六の小説による十六小節交響詩、その真の合奏でホールの空気を震わせろ!
【Symphonic For Devil variations #2】
とても苦労してこの小説を書いた。こんな実験、いまだ誰もしてない。
夜、闇が満ちて目の前にパッと悪魔が現れ、気づけば筆ガ走っていた。
美しい朝だ、気持ちの良い夜明け。何かを成し遂げたら、闇は消えた。
ああすがすがしき気分よ、そしてもし、読者が誉めてくれたら幸せだ。
<各楽器が出した音(品詞)一覧>
とても(Fl.副) 苦労(P.名) し(Trp.動) て(Vc.助) この(T-Tbn.連体) 小説(P.名) を(Vc.助) 書い(Trp.動) た(Va.助) 。(Perc.句読点) こんな(T-Tbn.連体) 実験(P.名) 、(Perc.句読点) いまだ(Fl.副) 誰(Cb.代名) も(Va.助) し(Sax) て(Vc.助) ない(Vio.1助動) 。(Perc.句読点)
夜(P.名) 、(Perc.句読点) 闇(P.名) が(Va.助) 満ち(Trp.動) て(Va.助) 目の前(P.名) に(Va.助) パッ(Cl.擬) と(Vc.助) 悪魔(P.名) が(Va.助) 現れ(Sax動) 、(Perc.句読点) 気づけ(Trp.動) ば(Va.助) 筆(P.名) ガ(Vc.助) 走っ(Sax動) て(Va.助) い(Sax動) た(Va.助) 。(Perc.句読点)
美しい(Hr.形) 朝(P.名) だ(Vio.2助動) 、(Perc.句読点) 気持ち(P.名) の(Va.助) 良い(Hr.形) 夜明け(P.名) 。(Perc.句読点) 何か(Cb.代名) を(Vc.助) 成し遂げ(Trp.動) たら(Vc.助) 、(Perc.句読点) 闇(P.名) は(Va.助) 消え(Sax動) た(Vc.助) 。(Perc.句読点)
ああ(Ob.感動) すがすがしき(Hr.形) 気分(P.名) よ(Vc.助) 、(Perc.句読点) そして(Tuba接) もし(Fl.副) 、(Perc.句読点) 読者(P.名) が(Va.助) 誉め(Sax動) て(Vc.助) くれ(Trp.動) たら(Vc.助) 幸せだ(Bs-Tbn.形動) 。(Perc.句読点)